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CLUE TO KALO
クルー・トゥ・カロ

http://cluetokalo.com/

オーストラリア、アデレード出身のマーク・ミッチェルによるソロ・プロジェクト。子供の頃からテープ作りをしていたというマークはスーパー・サイレンス名義で活動を開始。MP3やCD-Rで楽曲を発表した後、2000年に地元のレーベル、サージェリーから、スーパー・サイレンスのアルバム『Love Like Life In Miniature』をリリース。現在のクルー・トゥ・カロの音楽に比べて「よりはっきりとエレクトロニックで、より混沌としていた」と彼自身が評価するその作品は、オーストラリアのオルタナティブ・ラジオ局で年間トップ10に選ばれるなど高い評価を得た。翌年、スーパー・サイレンスはオーストラリア、ニュー・キャッスルで開催されたサウンド・サミット・フェスに参加。ワイアー誌に「フェスのハイライト」とされたそのライヴ・パフォーマンスは注目で集める。この時、マークは同じくフェスに出演していたアメリカ西海岸のアンダーグラウンド・ヒップホップ集団アンチコンのクルー、ドーズワン、ソール、ジェルらと出会い、スーパー・サイレンスのCDを気に入ったドーズワンらはマークの新曲が入ったCD-Rをマッシュに紹介。マッシュは即座にマークとの契約を決めた。2003年、マークはマッシュからクルー・トゥ・カロ名義での1stアルバム『Come Here When You Sleepwalk』を発表。マッシュと提携するエレクトロニック・ミュージックの世界的な名門レーベル、リーフを通じてイギリス、ヨーロッパでもリリースされる。ブーム・ビップら同業者も敬服したこの作品で、彼の音楽はプレスに「ボース・オブ・カナダに乗る酔ったバッドリー・ドローン・ボーイ」などと喩えられ、ムームやパルス・プログラミング、Dntel、ミズ・ジョン・ソーダなどと比較された。2005年、2ndアルバム『One Way, It’s Every Way』リリース。海外では再びマッシュ及びリーフがリリースした同作は、アコースティック・ギターなどの生音の響きを最大限に活かしたオーガニック・サウンドをエレクトロニクスで調理。マークのソフトなヴォーカルで歌われる美しいメロディを優しくそえた逸品となった。この2ndで日本デビューを果たした彼は、2006年、来日。緊急来日にも関わらず、代官山UNITにてキエラン・ヘブデン(フォー・テット)&スティーヴ・レイドのオープニング・アクトを務め、渋谷O-NESTでは、ハー・スペース・ホリデイ、4 bonjour’s partiesと共演。超満員のオーディエンスに、強いインパクトを残して去っていった。そして2008年、3年ぶりとなる3rdアルバム『LILY PERDIDA』が到着。冒頭から、大胆にフィーチャーした女性ヴォーカルとピアノの調べに驚かされる。前作以上に、オーガニックな感覚や唄心がより全面に出ており、さらに、今回は、各曲タイトルに”~, by ~”とあるように、全ての楽曲が、どの視点から書かれたものか明確にしており、コンセプト・アルバムの体となっている。このように、サウンドも言葉も完全にコントロールして、新たな一大叙事詩を創り出した。音楽家として、トータルなプロデューサーとして、格段の成長を遂げたことがわかる。デビュー当時、エレクトロニカの新星と謳われた彼もまた、単なる”エレクトロニカ”の秀才などではなく、”ポップ・ミュージック”の天才であったのだ。日本盤には、ボーナストラックとして、ピクチャー・ヴァイナルとしてリリースされる予定の4曲入りEP「Man Who Took A Step Expecting A Stair But Instead Got Level Ground」(ビートルズ”Mother Nature’s Son”の秀逸なカヴァーを含む)を完全収録。CD化されるのは日本だけとなる。

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