Archive for the ‘catalog_detail’ Category

DEVICS / PUSH THE HEART

火曜日, 12月 6th, 2011

ヴォーカリストのサラ・ラヴとマルチ・インストゥルメンタリストのダスティン・オハロランによるLA出身男女2人組ユニットによる4thアルバム。ダスティンのモダンかつクラシカルなソングライティングと、サラのダークでジェントルな唄が融合して産み出される世界観は、マジー・スターやスローイング・ミューゼズにも通じ、ジョゼッペ・ベルトリッチ(ベルナルド・ベルトリッチの実弟。彼の監督作のフィルムスコアを担当)や、コクトー・ツインズのサイモン・レイモンド(彼のレーベル、ベラ・ユニオンに所属)、ソフィア・コッポラ(ダスティンがピアノ・ソロ作品を『マリー・アントワネット』に提供)などの才人を魅了し続けている。

OWEN / AT HOME WITH OWEN

火曜日, 12月 6th, 2011

シカゴのポストロック・シーンの支柱的存在ジョーン・オブ・アーク。そのドラマーでもあるマイク・キンセラによるソロ・ユニット=OWENの4thアルバム。父親の死や、自身の怪我など、様々なドラマを経て、より内なる世界への批評眼を獲得したその歌詞世界はさらに深みを増し、タイトルに反して、ベッドルームから抜け出し、再び従兄弟ネイト・キンセラ(メイク・ビリーヴ)とともにスタジオに入り、最終的にはアイアン&ワインやレッド・レッド・ミートなどを手掛けたブライアン・デックと仕上げたそのサウンドは、”二次元から三次元へ”というぐらい大きな跳躍を感じさせる。4作目にして、真のマスターピースがここに誕生した。

nhhmbase

火曜日, 12月 6th, 2011

2004年より渋谷を中心にライブ(ほぼ月3)や打ち上げ参加(ほぼ毎週)など精力的に活動を続ける愉快な4人組。ありえないほど高度に構築されたポップ・ソングを、ありえないほどの熱量で破壊する。その光景を目撃した者は、涅槃へと誘われるという…。TYONDAI BRAXTON(BATTLES)やxbxrxなど海外勢も昇天済。これまでの数多の伝説的なライヴで破壊/再構築を繰り返された楽曲は、まるで未確認不定形動物のように、未だ誰も真の姿を知らない。そんな彼らの初の公式音源が遂にリリース。これまで、極めて曖昧に、最大公約数的に“こんな感じだろうな”と思われていた楽曲の“正解”が遂に露になる。全国へ。そして世界へ。

folk squat / one plus everything

火曜日, 12月 6th, 2011

2002年、平松泰二と田原克幸によって結成。およそ2年ぶりとなる今作では、HER SPACE HOLIDAYやOWENといったレーベルメイトとのコラボレーションや、Tomatoheadやキラーコンドルズといった気心の知れたバンドの参加がより開かれた空気感を生み、GrandaddyやPavement、Pinbackなどにも通じる海外インディーの良質な部分を抽出したかのような浮遊感溢れるアンサンブル、心の襞に触れる繊細なメロディー、内省的な英語詞を届けるスモーキーなヴォーカルといった彼らの魅力が大きく開花。あまりにも中毒性の高い楽曲が並ぶ、彼らの現時点での集大成的作品となった。確実に心に染みていく唄を思う存分味わって頂きたい。

NOBODY & MYSTIC CHORDS OF MEMORY / TREE COLORED SEE

火曜日, 12月 6th, 2011

Prefuse 73と作品やツアーで共演し、FUJI ROCK FESTIVAL ’05にも彼と共に来日した西海岸のポップ・マエストロ、DJ Nobody。そして長年カルト的な人気と高い評価を得てきたBeachwood Sparksの元メンバー、Chris Gunstによるユニット、Mystic Chords Of Memory。本作は、アメリカ西海岸が誇る2つの才能が見事に溶け合ったコラボレーション・アルバム。Mystic Chords Of Memoryのメランコリックな歌を、Nobodyがスペシャルなサイケデリアで調理、緩やかなグルーヴを添える。素朴な手触りとカラフルな華やかさ、フォーキーなメロディーと優しいリズム。絶妙のバランス感覚でそれらを調和させた爽やかな逸品に仕上がっている。

+/- {PLUS/MINUS} / LET’S BUILD A FIRE

火曜日, 12月 6th, 2011

VersusのメンバーでもあるJames BaluyutとPatrick Ramos、そしてChris DeanerからなるNYのトリオ。2ndアルバム『YOU ARE HERE』(2003年11月)でその評価を不動のものとする。その後もDeath Cab For Cutieとのツアーを行うなど、ライヴ・バンドとしての力を増していく中、2004年11月、遂に初来日ツアーが実現。bloodthirsty butchers、the band apart、mock orangeと全国を周り、アグレッシヴかつ繊細な演奏で聴衆を熱狂させた。2005年にも同様のツアーを開催。その興奮も冷めやらぬ中、3作目となる本作をリリース。ポスト・ロックもエレクトロニカも飲み込んだ、21世紀のバンドが鳴らすべきサウンドの全てが詰まっている。

IDAHO / THE LONE GUNMAN

火曜日, 12月 6th, 2011

その名とは異なり、カリフォルニアを拠点に活動する稀代のソングライター、ジェフ・マーティンによるユニット。耳の肥えた音楽好きたちが、まるで放浪の末にようやく辿り着いた山頂にそっと咲く花を愛でるように、10年以上に渡って、密かに愛され続けてきたその唄心は、レッド・ハウス・ペインターズのマーク・コズレクやアメリカン・ミュージック・クラブのマーク・アイツェルとも並び賞される。今作は実に4年ぶりとなるニュー・アルバム。期待を決して裏切ることのない、聴く者の心に切々と訴えかけるような美しい歌が数々詰まっている。今作が日本で初のリリースとなるが、彼らの音楽に初めて触れるのにもふさわしい、アイダホらしい名曲ぞろいの傑作。

HER SPACE HOLIDAY / THE PAST PRESENTS THE FUTURE

火曜日, 12月 6th, 2011

サンフランシスコのマーク・ビアンキによる宅録ソロ・ユニット。元々、確かなソングライティングでインディー・ポップ・ファンには知られた存在だったが、エレクトロニカやヒップホップの要素を獲得した前作『THE YOUNG MACHINES』で、その音楽はジャンルを超えて幅広い層にアピールできることが証明された。その彼の新作は、これまで以上に洗練されたポップなメロディーが、これまで以上にグルーヴ感の増したビートに乗り、唄、リズム、サウンドが一体となってインティメイトな世界を生み出すキャリア最高傑作。サマー・ソニック05にも出演し、10月にはアメリカン・アナログ・セットとのカップリング・ツアーも決定している。

CLUE TO KALO / ONE WAY, IT’S EVERY WAY

火曜日, 12月 6th, 2011

豪州アデレード出身のマーク・ミッチェルによるソロ・プロジェクト、2年ぶりの新作が完成。海外では再びマッシュ及びリーフがリリースする本作は、アコースティック・ギターなどの生音の響きを最大限に活かしたオーガニック・サウンドをエレクトロニクスで調理。マークのソフトなヴォーカルで歌われる美しいメロディを優しくそえた逸品だ。日本盤にはNOBODY、DAEDLUS、ANTIMCら西海岸シーンで今、最も注目を集めているアーティストたちによるリミックスを収録。前作で現代の才能のひとつとして認知を得たクルー・トゥ・カロ。その名はこの傑作でより幅広い音楽ファンたちに知られ、その音楽は更なる絶賛を持って迎えられるはずだ。

THE AMERICAN ANALOG SET / SET FREE

火曜日, 12月 6th, 2011

アンドリュー・ケニーを中心としたテキサス州オースティンの熟練ポップ・バンド。ギターやキーボードなど少ない音数で、フォーキーかつローファイな質感を残しつつ、ステレオラブやギャラクシー500などの影響を受けた独特のドリーム・ポップ・ミュージックを奏でる彼ら。本作はその2年ぶりのニュー・アルバム。スロウコア~ポストロック~エレクトロニカへの接近を見せながらも、熱心なリスナーからの信頼もあついそのスタイルはやはり不変。ソフトで繊細、美しく味わい深い“アメリカン・アナログ・セットらしさ”からは外れることなく、ソングライティングやアンサンブルをより洗練させることで磨き上げられた傑作。