2002年4月、平松泰二と田原克行によって結成された宅録デュオ。卓越したメロディー・センスと浮遊感溢れる楽器アンサンブル、音楽ファンをくすぐる独特の音作りが高く評価されている。海外との交流も深く、Her Space Holiday、Nobody & Mystic Chords Of Memory、Tracer AMC、Kyteといったバンドのオープニングを務める。前作以降、4年もの間地下に潜り試行錯誤を繰り返し、アルバム数枚分のデモを全て捨て、2011年初頭改めて制作を開始。結成10周年となるこの2012年に5枚目となるアルバム完成。もはやセルフ・タイトルしか付けられなかったというほど、結成から10年間、様々な紆余曲折を経てきた、しかし根本的には何も変わらない彼らの音楽性、メンタリティー、手法、そのすべてが詰まった、極めて濃厚な味わいの、まごうことなき最高傑作。
Archive for the ‘catalog_detail’ Category
folk squat
金曜日, 1月 20th, 2012Ryo Hamamoto & The Wetland
木曜日, 1月 12th, 201210年以上にわたって日本のインディー・シーンにおいて絶大なるリスペクトを集めるmooolsのギタリストとしても活動する天才シンガー・ソングライター、Ryo Hamamoto。個人名義でのデビュー・アルバム以来5年ぶり、バンド名義としては初となるアルバム。渡部牧人(Padok、ツチヤ二ボンド)、神谷洵平(赤い靴、月球、大橋トリオ)とともに、そして岩谷啓士郎(トクマルシューゴ&ザ・マジック・バンド、日暮愛葉 and LOVES!、LEO今井)をエンジニアに迎えて、1年近くかけてようやく完成された本作は、mooolsで存分に披露している卓越したギター・テクニックはもちろん、滋味あふれる唄声、芳醇なメロディー、豊かなグルーヴなど、すべてが日本人離れした彼の才能が爆発した極上の一枚となった。
aoki laska / about me
水曜日, 12月 7th, 2011神奈川県出身の女性シンガーソングライター。彼女にとって初めての全国流通盤であるミニ・アルバム。プロデュース、録音、ミックス、マスタリングをてがけたのは、彼女が敬愛してやまないfolk squatの平松泰二。彼にとっても初プロデュースであり、& recordsにとっても初の日本人女性シンガーソングライターとなる。また、YOMOYAの長倉亮介、そして4 bonjour’s partiesの日下部裕一も制作に協力しており、まさに& recordsの日本人勢が総力をあげてバックアップする逸材。基本的には彼女のピアノないしオルガンと、声というコアに、最低限の意匠だけ施した、とてもシンプルで、いわば名刺代わりの一枚であるが、安藤裕子やクラムボンの原田郁子などにも通じる、個性的かつ滋味溢れる彼女の唄の世界を存分に味わえる一枚。
OWEN / GHOST TOWN
水曜日, 12月 7th, 2011シカゴのポストロック・シーンの支柱的存在ジョーン・オブ・アーク。その中心であるティムの実弟でありドラマーでもあるマイク・キンセラがその素晴らしい唄声を披露するソロ・ユニット。すでに5度の来日を果たし、Charaや坂本真綾もファンであることを公言するなど、日本でも確固たる人気と評価を誇る。2年ぶり6作目となる本作は、ボニー“プリンス”ビリーやアンドリュー・バードなどを手がけるニール・ストロウチの音作りにより、シンプルながら芳醇の極みともいえるサウンドを生み出すオーウェン・マジックはそのままに、さらに、昨年のキャップン・ジャズの再結成ツアーの影響か、これまでになくロックな面も垣間見える、実に魅力的な多層性を持ったアルバムとなっている。
HER SPACE HOLIDAY
水曜日, 12月 7th, 2011サン・フランシスコ近郊のサン・マテオ出身のシンガー・ソングライター、マーク・ビアンキによる1人ユニット。サマー・ソニック出演や高橋幸宏とのツアーをはじめとした数々の来日公演やYEBISU THE HOPのCM出演などで日本でもお馴染みの存在。ファイナル・アルバムと銘打たれた本作は、ドリーミー・ポップ、エレクトロニカ、フォーク、サイファイ、ヒップホップ、ローファイ…これまでの彼の音楽遍歴全てを包含して総括した、まさに集大成と呼ぶに相応しい芳醇な音楽性を宿している。彼の優しい人柄がそのまま伝わるような温かいメロディーと唄心は今作でももちろん健在。まさに、マークが、ハー・スペース・ホリデイとして、出せるものをすべて出しきった、渾身の一作。
IDAHO / YOU WERE A DICK
水曜日, 12月 7th, 2011その名とは異なり、1992年よりカリフォルニアを拠点に活動するシンガー・ソングライター、ジェフ・マーティンによる1人ユニット。その唄心は、アメリカン・ミュージック・クラブのマーク・エイツェルやレッド・ハウス・ペインターズのマーク・コズレクとも並び賞される。これまでメディアにあまり取り上げられなかったためか、アイダホは確かに知る人ぞ知る存在になってしまっているが、その音楽は決して聴く者を選ぶわけではない。アイダホの歌は誰もが心打たれるほど感動的で、誰もが息を飲むほど美しい。本作は、日本デビューを果たした前作『The Lone Gunman』から、実に6年ぶりとなる11thアルバム。より深くなった唄心と精緻なサウンドスケープは、最高傑作と呼ぶに相応しい。
YOMOYA / Yawn
水曜日, 12月 7th, 2011前作から2年ぶりとなる新作。ドラマー東の脱退という試練を乗り越えて届けられた3作目となる本作は、前作に引き続きmooolsやOGRE YOU ASSHOLEらを手がけた斉藤耕治/多田聖樹によるプロデュース。テン年代型シティ・ポップという称号を冠するに相応しい爽快な「Baby」、レーベルメイトでありカナダの大人気エレクトロニカ・アーティストであるI AM ROBOT AND PROUDをフィーチャリングした「KITAINEIRO(feat.I AM ROBOT AND PROUD)」、コンテンポラリーR&B的なリズムがクールな「体温」、彼らの真骨頂ともいうべきUSインディー直系ギター・バンドとしてのダイナミクスを宿す「プールサイド」、ホームメイドな肌触りのサイケデリアが愛おしい「水圧」、シューゲイズなノイズと叙情が見事に交錯する「一秒、いらないさ」、そしてトーキング・ヘッズ meets J-POPな「KITAINEIRO(original version)」、と、YOMOYAというグループを構成する多彩な要素を曲毎に切り取って見せた、ヴァラエティに富んだ全7曲を収録。2年の間に彼らが辿り着いた新境地を示すに余りある大充実作にして「Y」三部作の完結編。
JOAN OF ARC / LIFE LIKE
水曜日, 12月 7th, 201196年に結成以来、ティム・キンセラを中心とした不定形グループであり、シカゴのポストロック~EMOシーンの最重要バンドの最新作。キャップン・ジャズの再結成ツアーにより、オウルズ以来、10年ぶりに再会したヴィクターをギターに迎えたエッセンシャルな4人で、USとヨーロッパにてツアーを敢行。強靭に鍛え抜かれた楽曲をもって、ツアー終了直後からエレクトリカル・オーディオ・スタジオに入り、スティーヴ・アルビニによって、バンドの最良の状態を捉えた9曲。ジョーン・オブ・アークとしては初のタッグとなるアルビニだが、当然のごとく相性は最高。最低限のバンド・フォーマットでありつつ、ここまで刺激的なサウンドを生み出せる彼らの才能に驚愕するのみである。
THE ONE AM RADIO / HEAVEN IS ATTACHED BY A SLENDER THREAD
水曜日, 12月 7th, 2011LAを拠点に活動するSSWであるインド系アメリカ人リシケシュ・ヒアウェイを中心としたバンド。04年リリースの2ndがPitchforkで8.1という高得点を獲得するなど話題となる。07年、前作に引き続きDaedelusをゲストに迎えた3rdで日本デビューを果たす。それから4年、ライヴ・メンバーであった仲間達をメンバーに迎えバンドとして生まれ変わって初のアルバムが完成。ミックスにPhoenix、Depeche Mode、Belle & Sebastianらを手がけたTony Hofferを、ゲストにAnticonのBathsやAlias、DevicsのSara Lovなどを迎えて制作された本作は、これまでのダークで内省的なイメージから一転、明るく、ポップで、しかしどこかビタースウィートなダンス・チューンが並んだ会心の一作に。
THE WEDDING PRESENT / BIZARRO: LIVE IN TOKYO, 2010
水曜日, 12月 7th, 2011UK最高のシンガー・ソングライターの1人と謳われるDavid Lewis Gedgeを中心とするカルテット、THE WEDDING PRESENT。2010年5月7日、渋谷O-WESTにて行われた来日公演は、1989年にリリースされ、名盤の誉れ高い『BIZARRO』を全曲演奏するという、特別なものであった。御歳50とは思えない、圧倒的なヴォーカルと、歯切れのよいカッティングで、満員の観客を熱狂させた。そんな記念すべき来日公演の、後半の『BIZARRO』パートはもちろん、まだレコーディングされていない新曲を含む前半パートまで完全収録。名盤再現というだけでなく、最高のロック・バンドの最高の熱演を捉えたという意味でも、とても貴重なこのライヴ・アルバムを、是非ともゲットして頂きたい。